“空青しつぼみのハクレン星色に”俳句の展示入れ替えました。(2017.03.09)


2月中旬ごろのハクモクレンのつぼみ
野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。


“空青しつぼみのハクレン星色に”  大菜
(そらあおしつぼみのハクレンほしいろに)

 ”ハクレン(ハクモクレン)”はモクレン科の落葉高木です。
植物園内にも大きなハクモクレンの木がありますが、数え切れない“星”の数ほどのつぼみを着けます。
そのつぼみたちは、透き通った絹毛をまとっています。
晴天時には青空をバックに、まさに銀色の“星”たちが輝き出します。
さらに、モクレンの仲間は、「コンパスプラント(方位指標植物)」とも呼ばれます。
開花前、つぼみたちは同じ方向にたなびいているように見えます。
日がよく当たるつぼみの南面の成長が大きいため、先端が北側を示すように傾くのです。
「空」、「星」、「日」、「方位」など、ハクモクレンは『そら(宙)』とのつながりが深い植物みたいです。

昨日3/7のハクモクレン  写真左側が北方向




“通せんぼ笑顔の記憶沈丁花” (*作者不詳)
(とおせんぼえがおのきおくじんちょうげ)


”沈丁花(ジンチョウゲ)”はジンチョウゲ科の常緑低木です。
早春、3月のこの時期に花を咲かせます。
夏のクチナシ、秋のキンモクセイとともに「三大香木」とされています。


「香り」は記憶を瞬時に呼び起こします。
ジンチョウゲの花言葉は「不滅」、「永遠」。
ジンチョウゲの香りとともにある作者の幸せの“記憶”は、決して忘れることのない「不滅」の“記憶”のようです。

本日の園内のジンチョウゲ


*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。
*今回展示している俳句の一覧です。






(園長 上田)

コメント

このブログの人気の投稿

秋でもないのに・・春の紅葉(2020.4.4)

「卯の花」ってどんな花?(2017.5.31)

幹に果実がつく不思議植物(2021.5.28)