チョット気になる、路傍の花たちNo.5(2018.8.15)

ヤブガラシ
 ブドウ科のつる性の多年草です。
この時期,どこでも必ず見かけるヤブガラシです。一見すると,とてもかわいらしい花ですが,節から伸びる巻きひげで,他の植物やフェンスなどにからみついて這い広がります。そして,絡みついた植物をおおって枯らしてしまうのでこの名がついたそうです。
 別名もビンボウカズラ(貧乏葛)と言い,正直,不名誉な名前がついています。畑や藪にふつうに生え,地下茎で増えるので,地上部を抜き取っても地下茎が残るため,除草がとても厄介です。
 しかし,昆虫たちにとっては大切な蜜源植物であり,写真のオレンジ色に見える部分は花盤とよばれ,たくさんの蜜を出しています。そして,じっくりと見てみると,4枚ある黄緑色の花弁がついているのがわかりますね。それらの花弁はやがて落ちてしまいます。

ヘクソカズラ
 アカネ科,つる性の多年草です。漢字で書くと,「屁糞葛」となります。とんでもない名前が付いています。多くの小さな花をつけ,とてもかわいいのですが,葉や茎にはとても強い悪臭があります。別名を,「灸花(ヤイトバナ)」,「サオトメバナ」,「馬食わず」と言います。
万葉集の中に「くそかずら」の名で詠まれた句があります。万葉集というと,奈良時代です。その後に「屁」もついたわけですから,どれだけ臭いか想像できることでしょう。資料を見ていたら,スカンクの屁の主成分と同じ臭気だと書いていました。害虫から身を守るためにこのようになったのだそうです。
 花後は実ができますが,その実がやがて緑色からヤマブキ色になり,リース作りの材料によく使われ重宝されています。実は乾燥すると臭気は,ほとんどなくなるそうです。
【解説員K】

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