チョット気になります,路傍の花たち No.9 (2018.9.17)

 路傍の花たちNo.8からの続きです。
 神社を過ぎると駐車場に出ました。駐車場わきにオレンジ色のユリ科(?)の植物が風に揺られていました。ワスレグサ科(ユリ科)の「アキノワスレグサ」です。本園の野草園東に今、咲いているので,すぐにわかりましたよ。
 近縁種のノカンゾウは開花期間が6~8月で,冬は地上部が枯れてしまいますが,こちらは常緑です。ですから,「トキワノカンゾウ」という別名があります。
アキノワスレグサ

 
  そして,遊歩道脇には「クズ」がびっしりと広がっていました。大きな葉が重なる中にひっそりと紅紫の葛の花が咲いていました。
  秋の七草の1つであるクズは,根がイモ状に大きくなり,葛粉がとれます。葛粉は葛切りや葛餅などの原料となります。また,根を干したものを生薬で葛根(かっこん)といい、発汗・解熱剤になります。厄介者のクズですが,実は私たちに多くの恵みを与えてくれているのです。
 
クズ

 
 次に目に留まったのが,直径1cmにも満たないかわいい花が咲く「キツネノマゴ」です。虫たちが大好きな花です。
 キツネノマゴ科の1年草で,淡い紅紫色で唇形の花をつけます。上唇の花びらには2本のおしべとめしべがあり,下唇の花びらには虫たちをおびき寄せる蜜標があります。ミツバチが蜜を吸いに中に入ると,背中に花粉がついて,他の花に受粉をしてくれるわけです。正にギブアンドテークの良好な関係を保っています。
キツネノマゴ

 
 最後は,クリスマスのころによく見かけるポインセチアに似た花です。よく見ると,茎の上の方の葉のみ赤く色づいています。花に見えた部分は、実は赤く色づいた苞です。
 名前は「ショウジョウソウ」。別命を「サマーポインセチア」と言い,熱帯アメリカ原産でトウダイグサ科の1年草です。道路脇にも数株が茂っており,こぼれ種で増えたのではないでしょうか。
ショウジョウソウ(猩々草)

  【解説員K】

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