“菜の花とうつる君見て巡る春”俳句の展示入れ替えました。(2017.04.10)

野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。
“菜の花とうつる君見て巡る春” 宣暁
(なのはなとうつるきみみてめぐるはる)


“春うらら菜の花畑の笑い声” 三津文乃
(はるうららなのはなばたけのわらいごえ)


“菜の花の人を元気にしたる色” 松尾康乃
(なのはなのひとをげんきにしたるいろ)


“花菜畑つかれた人をいやすよね” 小島彩華(小6)
(はななばたつかれたひとをいやすよね)


“麗かや子どもの声と黄金色” 井出崇之
(うららかやこどものこえとこがねいろ)


 “満開の菜の花畑膨らみぬ” 武藤典子
(まんかいのなのはなばたけふくらみぬ)
今回は“菜の花”の句が多く寄せられました。
“菜の花”はアブラナ科の一年草です。
“菜の花”という名称はアブラナ属の総称として使われる場合もあり、植物分類上では正確を期して「ハナナ(花菜)」と呼んでいます。

福岡市の植物園の入口花壇には、毎年、この「ハナナ」の中でも早咲きの品種を植えています。
カンザキハナナ(寒咲き花菜)」と呼ばれるものです。
1月には花を着け始め、3月初めには一面の黄色いじゅうたんが広がります。


菜の花畑は、日本人の春の原風景の一つと言えるでしょう。
今回集まった“菜の花”は、どの句をとっても、ふたたび春が巡ってきてくれたことへの素直な喜びが伝わってきます。
(なお、植物園の“菜の花畑”は早咲き品種のため3月末で終了しています。)


*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。

今回展示している俳句の一覧です。

(園長 上田)

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