チョット気になります,路傍の花たち No.17(2018.10.18)

 種の散布には風によるものや雨,川などの水によるもの,どんぐりのように自然落下するものなど,いろいろなパターンがあります。
 そこで,今回は動物による散布,中でも動物に付着して種の保存を図ろうとする,いわゆる「くっつき虫」型の植物を紹介します。
 まず,くっつき虫と言えば,やっぱり「オナモミ」です。
 子どもの頃,トゲトゲのオナモミをよく友だちの衣服に投げて遊んだ記憶があります。しかし,今やオナモミは絶滅危惧種に指定され,代わりに増えたのがオオオナモミです。残念ながら今,探しているところです。

 今,いちばん目にするのがヒユ科の多年草の「イノコズチ」です。「ヒナタイノコズチ」と言われています。実の根元に刺状の苞がついていて,動物や私たちの衣服に付着します。
「ヒナタイノコズチ」

 花木園Bで見つけたのがキク科1年草の「コセンダングサ」です。北アメリカ原産の帰化植物で明治期に入ってきたようです。先っぽの3〜4本の冠毛に逆刺があります。
「コセンダングサ」

 同じ仲間に「アメリカセンダングサ」があります。コセンダングサとの違いは,葉っぱに似た総苞が花を取り囲んでいるところです。また,茎が暗紫色になっているので,すぐわかりますよ。

「アメリカセンダングサ」

 以前,No.10で紹介した「アレチヌスビトハギ」です。いつのまにか花は散り終え,実がびっしりと付いていました。よく見ると,実が3~5個連なっています。かぎ状の毛があり,これにふれると,付着します。
「アレチヌスビトハギ」の実 

 次は野草園東で見られる「キンミズヒキ」です。花がまもなく終わりますが,すでに実がたくさん付いています。実にはかぎ形の刺があります。ちょっと触れるとご覧の通り!
「キンミズヒキ」の実

 最後に,しっかりと根を張り,強くてなかんか抜けないため「チカラシバ」と言う名前が付けられています。イネ科の多年草です。実は先端の毛と一緒に外れ、これが動物などの毛に引っ掛かります。
「チカラシバ」

 おまけです。
 植物園入り口に皆様をお迎えする寄せ植えの円形プランターが数個置かれています。その中にひと際目を引く全身紫色の花があります。名前は「パープルファウンテングラス」です。イネ科のチカラシバ属です。
花穂が垂れているのが「パープルファウンテングラス」

 バラ祭りもいよいよ明日19日から21日まで開催されます。たくさんの催しが計画されていますので、是非,植物園においで下さい。
 【解説員K】
 

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