ちいさな大発見!? No.51(2019.9.1)カラスの好物だって?
写真①をご覧ください。
写真① 闇夜にうかぶ妖しげな花?
花弁が五裂し、さらにその先っぽが糸状に裂けています。つる性でウリ科の多年草,「カラスウリ」の花です。オレンジ色の実は知っていても,花を知っている人は割と少ないのではないでしょうか。
この植物の特徴は夜咲きで、翌朝にはしおれてしまう一日花であること。また,雌雄異株で雄花だけを付ける雄株と,雌花だけを付ける雌株があることです。
一見すると,雌雄の区別は難しいのですが,花の中央に子房から伸びてきた柱頭(3つに分かれている)が見えるのが雌花です。ですから,写真①にはそれがありませんので雄花ということになります。
写真②をご覧ください。
写真② 長いガク筒
カラスウリの花弁の裏には緑色のガクがあり,さらに5~7cmの長いガク筒があります。雄花のガク筒の中には蜜がたっぷり入っていて,ポリネーターである夜行性のスズメガなどをおびき寄せ,花粉を運んでもらいます。
こうして,受粉できた雌花だけが実(写真③)を結び,秋になると鮮やかなオレンジ色(写真④)に変身します。
写真③ 縦じまがめだっています!
写真④ 昨年,10月9日撮影!
今現在は写真③の状態です。本園入場ゲートより右折し,トイレ前(階段横)にてアセビの木にからまっている様子を見ることができますよ。ちなみに,写真③の縦じまですが,熟していくうちに消えてしまいます。
これまでも晩秋近くまで食べられることなく木にぶら下がっていたところを見ると,本当にカラスが好きかどうかはわかりませんね。
さぁ、今日から9月です。もう少しすると、さわやかな秋風が吹くようになります。是非、植物園においでください。
【解説員K】
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