“しょくぶつ園みわたすかぎりみどりあり” 俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2020.08.13)



先日,俳句小屋の展示作品を入れ替えました。7月もご投句ありがとうございました。長梅雨の影響もあり,7月の投句数は少なめでしたが,力作ぞろい。投句していただいたほとんどの作品を展示しています。それらの中から数点ご紹介します。

“しょくぶつ園みわたすかぎりみどりあり” まつもとこうた

情景をまっすぐに表現した作品ですね!春に比べ,だいぶ花の少ない時期になりましたが,長雨や酷暑の中でも緑は深くなり,植物の生命力の強さを感じさせられます。


続いて…

“現れてついと消えたる梅雨の蝶” 政弘
”緑濃き梅雨の晴れ間にアオスジアゲハ” 旅人

梅雨の時期に園内を歩いていると,少し黒味がかった蝶(アオスジアゲハ?)がヒラリと目の前に現れては,スッと姿を消すことがあります。この時期の蝶は,ずっとヒラヒラ羽ばたいているわけではなく,普段は葉の裏などにいて,ちょっとした間を見て姿を現すようですね。


最後にネジバナを題材にした作品を3点。
“文摺やかなの稽古を怠けをり” 絹子
(もじずりやかなのけいこをなまけをり)
“捩花に風の尖端ありにけり” 美知子
(ねじばなにかぜのきっさきありにけり)
“捩花の芯まっすぐになびかずに” 美代子
(ねじばなのしんまっすぐになびかずに)

文摺(もじずり)とは,ネジバナの別称で,もともとは福島県信夫(しのぶ)地方で作られていた,乱れ模様の摺り衣(すりごろも)のことだとか。ピンと一本伸びた茎に,上手にクルクル巻き付いたように,ピンク色の花をつけるネジバナ。福岡市植物園では,今年も俳句小屋の前の梅園や水生植物園で,可憐な花を咲かせていました。


俳句の展示は,当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており,約1か月おきに入れ替えています。投句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と緑の情報館1階のポストで受け付けています。みなさんのご投句を,お待ちしています!

※今回展示している俳句の一覧です。



<俳句係 M>

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