ちいさな大発見No.99(2020.8.27)継子の尻拭い!?

 モデル庭園で咲いているシコンノボタンの足元周辺で,タデ科の植物があちらこちらから顔を出しています。つる性の一年草,ママコノシリヌグイです。

 一見すると,ミゾソバに似て,金平糖(?)のような可憐な花です。
川や池の端で見られるミゾソバ

 しかし,よく見ると葉や茎にはびっしりと逆さトゲがついています。このトゲを他の植物に絡ませながらつるを伸ばしています。
茎には逆さトゲ
葉柄にも鋭いトゲ!

 ところで,ママコノシリヌグイ「継子の尻拭い」とは何とも強烈な名前を付けたものです。継母が実の子どもでないことを理由にいじめ心で,このとげとげの葉や茎でお尻を拭いたということでしょうか。
 気づかずに素手で触れようものなら,本当に痛いです。
 
 開花期間は大変長く、5月末から10月いっぱい見ることができます。花は淡いピンク色で5弁花に見えますが,花びらはなく,萼が5つに裂けて星形に開いています。おしべは8本,めしべは1本ですが,先っぽが3つに割れています。

 花後には萼が閉じて、つぼみと同じ状態に戻るようで,その区別がつきません。実が膨らんできて,やっとわかるようです。

 特徴として,タデ科の植物に見られる「托葉」が鞘状になった「托葉鞘」という葉の付け根の付属物があります。
托葉鞘

 まだまだ残暑は厳しそうですが,植物園にお出かけの際はモデル庭園まで足を運んで,ママコノシリヌグイを観察してみませんか。
【解説員K】

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