ちいさな大発見No.106(2020.11.5)小菊の仲間たち!

 朝夕はずいぶんと冷え込むようになり,秋の深まりを感じます。

 秋と言うと,やっぱり菊のイメージが強いようですが,今,野草園や針葉樹園花壇を中心に小さな菊の仲間たちがたくさん咲いています。

 先ず,キク属の仲間たちです。菊の仲間はほとんどの花が筒状花と舌状花でつくられています。最初に紹介するのは,シャスターデージーの交配親として知られているハマギクです。これは日本固有種で真っ白な舌状花は雌花、黄色い筒状花は両性花となっています。草のように見えますが,木本ですよ。


 そして,ハマギクよりも一回り小さいコハマギクも咲いています。ハマギクはヘラ形の葉ですが,こちらは小さな切れ込みが入る5浅裂の広卵形をしています。


 次は名前の通り,海岸線に自生するイソギク(磯菊)です。イソギクは舌状花がなく、筒状花だけでできているのが特徴です。また,葉裏は白っぽいのですが、この色が表の縁まで回りこんでいます。これが白い縁取りがあるように見え、とってもおしゃれです。


 そして,ハナイソギクです。これはイソギクとキク(イエギク)が交雑してできたもので,白い小さな舌状花がちらほら見えています。


 次は牧野富太郎博士が高知県の河川敷で発見したノジギクです。漢字で野路菊と書き、山野の小路に生える野菊の意味ですが、実際は海岸沿いが主な自生地です。


 最後にガーデンマムを紹介します。ガーデンマムは名称ではなく,日本の小菊がヨーロッパで品種改良されたものでガーデン(garden)とキク属の学名であるクリサンセマム(Chrysanthemum)の造語です。色や花形が豊富で鉢植えに向いています。写真は市民花壇で撮影しています。


 次号では一般に野菊と呼ぶにふさわしいキク科シオン属,ヨメナ属の仲間を紹介します。

【解説員K】


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