ちいさな大発見!? No.158(2022.5.25)ジャスミン???
香りの路を歩いていると、二人連れのご婦人から「青一色のバンマツリは珍しいですね。」と声をかけられました。
ナス科のニオイバンマツリ、漢字で書くと「匂蕃茉莉」。香りのする外国のジャスミンという意味になります。南米原産で別名をアメリカジャスミンと言います。
本種は青紫で開花し、2日目には薄い紫になり少しずつ色素がぬけていき、最後は真っ白になって落花します。これは、アントシアニンが酸化酵素によって徐々に分解されることから起こると言われています。
面白いのは英名が‘yesterday today and tomorrow’や‘morning noon and night’などと呼ばれているところです。とても特徴を捉えていますね。ちなみに、冒頭の写真は開花して間もなくだったということです。
ところで「茉莉」はモクセイ科ソケイ属のジャスミンのこと。植物園には「茉莉」や「ジャスミン」の名がつく植物が他にもありますので紹介します。
まず、マダガスカル原産でガガイモ科のマダガスカルジャスミン。つる性の熱帯植物で、さわやかな芳香があり、当園では温室で育てています。白い花びらには厚みがあり、筒状で先端が5つに開きます。
次は、北アメリカ原産でマチン科ゲルセミウム属のカロライナジャスミン。ツル性の常緑樹で別名をイエロージャスミンと言います。甘い匂いを発し、花もきれいで屋外でも生育可能です。
しかし、この植物には全草に強い毒性があり、誤って口にすると強い中毒中毒症状を引き起こしますから要注意です。
そして、モクセイ科ソケイ属のハゴロモジャスミン(羽衣素馨)。中国原産のつる性植物で姿は見えなくても強い芳香を放ち、近くで植栽されていることに気づくくらい強烈な香りを漂わせます。
最後はモクセイ科ソケイ属のアラビアジャスミン(茉莉花)です。香水やジャスミンティーの原料になります。アラビア地方、インド、スリランカなどで、昔からティーに用いられたそうです。
以上のことから、ジャスミンはモクセイ科ソケイ属の植物を言います。よって、ここで紹介した植物ではアラビアジャスミンとハゴロモジャスミンを指します。
例えば、ジャスミンティーでは茶葉の香り付けとして花が利用されます。くれぐれも、カロライナジャスミンは口にしないよう気を付けてください。
【解説員K】
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