“サルビアが咲いてはじまる新学期” 俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2020年7月9日)

先日,俳句小屋の展示作品を入れ替えました。6月もたくさんのご投句,ありがとうございました。
その中から何点かご紹介したいと思います。

“サルビアが咲いてはじまる新学期” 脩
(サルビアがさいてはじまるしんがっき)

例年ですと,チューリップの咲くころに迎える新学期ですが,今年はサルビアが咲き始める初夏に迎えることになりました。福岡市植物園では6月から入り口広場の花壇に,ハート模様にサルビアを植え付けており,現在満開となっています。青いサルビアが「サルビア・ファリナセア‘エボリューションブルー’」,白いサルビアが「サルビア・ファリナセア‘エボリューションホワイト’」,それから白色と淡い青色の2色咲きのサルビアが「サルビア・ファリナセア’フェアリークイーン’」という品種です。



アジサイを詠んだ作品も多くよせられました。

“あじさいの色言い笑う我が息子”  佐那恵
(あじさいのいろいいわらうわがむすこ)

「ピンク!青!白!」,そんな元気な声が聞こえてきそうな作品ですね!アジサイの色は一般的に,酸性土壌だと青,中性からアルカリ性土壌だと赤っぽくなると言われています。七変化とも呼ばれるアジサイの色の変化は,梅雨ならではの楽しみの1つですね。


風をテーマにした作品も。

 

涼風に息よみが江り植物園   雪桜子
(すずかぜにいきよみがえりしょくぶつえん)
マスク取り胸に広がる新緑の風   あづさ
(マスクとりむねにひろがるしんりょくのかぜ)
休日の植物園に風薫る   はる
(きゅうじつのしょくぶつえんにかぜかおる)

みなさんは夏の暑い日中に木陰に入り,涼しく感じられた経験はないでしょうか。あの現象は,単に「日陰に入っているから」,というわけではないようです。植物も気温が高くなると,自身の温度が高くなりすぎないように,一生懸命,葉にある気孔という器官から体内の水分を蒸散させます。その,水から気体になる作用の際に,周囲から熱を奪い,植物自身と周囲の温度を下げているそうです。これから暑さも本格化します。植物園にいらした際には,夏の涼にも意識を向けてみてくださいね。

俳句の展示は当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており,約1か月おきに入れ替えをしています。投句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と緑の情報館1階のポストで受け付けています。
みなさんのご投句を,お待ちしています!

※今回展示している俳句の一覧です。



<俳句係M>

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