ちいさな大発見!? No.5(2018.11.16)

 野草園に巨大昆虫出現!
 大きいもので体長8cm,触角(?)の長さは12cmはあります。真っ黒なトゲトゲの胴体をもって背中が2つに割れ,2本の反り返った大きな角(写真①)が見えます。正に「新種の昆虫」に見えませんか?
写真①
 メキシコから南アメリカに自生する「キバナツノゴマ」の実です。当園では6月下旬から9月末まで釣鐘状の黄色い花(写真②)をたくさん咲かせました。
写真②
 英名を「devil's claw」,2本の悪魔の爪と言います。「エッ,こんなかわいい花がなぜ?」と思いませんか。
写真③を見てください。花後の結実した様子です。この段階では「unicorn plant」,一角獣植物などと言われます。
写真③
 そして,やがて,枯れて乾燥してくると,表皮が割れて中から悪魔の爪(写真④)が出現します。この時点では,角はまだ1本ですが,やがて2つに裂け,中にある種を巻き散らすという仕組みになっています。
写真④

 実はキバナツノゴマは食虫植物です。茎,葉,花全体がネバネバした粘液で被われています。昆虫は、その分泌物に捕らえられて死んでしまいます。しかし,消化酵素をもっていないため,昆虫から栄養素をとることができません。ですから,キバナツノゴマは食虫植物になりきっていない「原始の食虫植物」と言われています。
 そのため、サヤについている鋭い爪は、大型動物に引っ付くことにより、種を散布するのです。
 【解説員K】

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