カンレンボクの花・その後(2021.8.6)

 

 7月25日のブログで取り上げたカンレンボク【旱蓮木】の花のその後をお伝えします。   先日の記事をおさらいしておくと、ボール状につくカンレンボクの花序には頂性(先端)と腋生(脇)があり、頂性花序は雄しべがまず出現して、その雄しべが脱落した後に雌しべが出てくる「雌雄異熟」という咲き方をしていること、また腋生花序は頂生花序が雄しべを脱落させた後に時間をずらして雄しべを出現させていること、などの興味深い花の咲き方をお知らせしました。

 トップの写真は、それから五日後に撮ったものです。頂生花序の白かった雌しべは、受粉する役目を終えて茶色に変化、腋生花序にびっしり出ていた雄しべはほとんど脱落という状態になっていました。

 さらに翌日に地面を見ると、花序が花柄ごとポロポロと落ちています。

 枝先を見ると残っているのは頂生の花序だけで、受粉を終えた子房が目立ちます。


 ということは、地面に落ちてていたものは腋生花序で、雄しべをつけて花粉を放出したらお役御免ですので、つまり雄性花序だったのですね。
 実は、カンレンボクの花構造については、「頂生の球花序は雌性で、腋生の球花序は雄性である」、「雌雄同株であるが雌雄異花である」などと説明されている資料がありますが、当園でのこれまでの花序の状況をまとめると、頂生のものは雌雄異熟の両性花序、腋生のものは雄性花序ということになると考えられます。
 参考のため、園内のものより開花時期が早い苗圃のカンレンボクをチェックしてきました。
 やはり残っているのは、頂生花序だけで腋生花序は脱落しています。
 画像をアップすると、受粉を終えた子房が発達して「ミニバナナ」に例えられる果実が球状に集まっている形を早くも現わしています。
 この集合果は翼果で、秋に成熟すると風によってバラバラに飛ばされて種子を広げます。                                                                                   
                                    (解説員) 



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