バスから見えるチョット気になる・・花?(2020.4.12)



 通勤途上にバスから見える景色です。浄水通りを上がって「上智福岡中高前」のバス停付近、南公園樹林地の縁のところにちょっと黄色っぽい花のようなものがびっしり。気になったので近寄って見てみると、花ではなくてにょきにょきと立ち上がった新芽でした。


 古い葉を見ると、クスノキ科の特徴である三行脈が目立ちます。昨年秋のブログ「花と実が同居」で紹介したシロダモ【白だも】の新芽です。
 春になると樹木たちは一斉に新芽を伸ばします。それらは「新緑」と呼ばれるように大半は緑っぽい色をしていますが、シロダモの新芽はなぜ黄色っぽいのでしょうか?


 その秘密は、新芽の表面のビロード状の毛です。その黄褐色の毛にびっしりと覆われているために新芽が黄色っぽく見えているのです。
 この表面を覆う毛は、大事な柔らかい新芽が虫に食べられてしまうのを防ぐ役割があるそうです。ちなみに、この毛は新芽が生長して役割が終わると脱落して、緑色の普通の葉になります。


 先日「春の紅葉」ブログでイロハモミジやチャンチンなどアントシアニン色素で新芽が赤くなる樹木を紹介しました。この時期同じようにアカメガシワ【赤芽柏】(トウダイグサ科)も新芽の赤が目立ちますが、この色は葉の表面に密生している星状毛の色で、この毛もシロダモと同様に柔らかい葉を守っており、生長するにつれてまばらになって次第に緑色になります。
 その他、フカフカの毛で守られている新芽を園内で探してみました。

ケクロモジ(クスノキ科)


イヌシデ(カバノキ科)


 春先の芽吹きの時、木々たちはいろいろ工夫をして大事な新芽を虫たちや紫外線から守っています。                                                (解説員)

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