野草たちの冬の過ごし方~ロゼット(2021.2.3)
今日は立春、暦の上では春を迎えましたがまだまだ寒い日が続きます。この時期園内を歩くと、地面に張り付いて葉を広げている野草をよく見かけます。その様子は、放射状に伸びた葉の形をバラの花(rose)に例えてロゼット(rosette)と呼ばれます。
トップの写真は、梅園で見つけたカンサイタンポポ(キク科)のロゼットです。このような葉を根出葉(こんしゅつよう;短い茎の基部から出る葉で、あたかも根から直接出ているように見える葉)とも呼びます。
ロゼット状に葉をつけることで、野草は冬の少ない陽光を効率よく利用することができます。しかし、草丈の高い植物の陰になると地面に張り付いたロゼットには光が当たらず不利になります。
そのため、ロゼットは人為的な踏み付けが強いところや、定期的に草刈りが行われる場所など競争相手が生育しにくい環境によく見られることになります。
この写真は、例年3月末に梅園で開催している「春の茶会」の様子ですが、黄色い花が咲いているのがわかりますか?カンサイタンポポは開花時期には競争相手がいないことをちゃんとわかって花を咲かせているのでしょうか。ちなみに、梅園に夏草が茂って除草作業が行われる頃にはカンサイタンポポのような在来種タンポポは夏季休眠します。
【無駄な競争はしない!】
その他同じ場所で見つけた冬越しの野草たちの様子です。
ヨモギ(キク科) |
スイバ(タデ科) |
アメリカフウロ(フウロソウ科) |
ノアザミ(キク科) |
キュウリグサ(ムラサキ科) |
園の外周で見つけたロゼット。
オオアレチノギク(キク科) |
この野草たちは、競争相手が少ない冬季はエネルギーが節約できるロゼットで過ごし、春になって競争相手が増えてくると茎を伸ばして高さ競争に参加するという変幻自在な生き方をします。
【やる時はきっぱりと競争する!】
芝生広場で見つけたオオバコ(オオバコ科)は一年中ロゼットのままです。
【他の野草が踏まれて育たない場所でも元気に育つ!】
隙間で根性のある育ち方をしているロゼットも見つけました。
コメント
コメントを投稿