ネコ好きな人に・・オススメ!(2021.10.22)
ただ今温室入口階段前におもしろい鉢植えを展示しています。白色で筒状になった唇形花から雄しべと雌しべが突き出て、上向きに反った形がまるで猫のひげを思わせる、その名もずばりネコノヒゲ【猫の髭】(シソ科)です。インド、マレーシア原産の多年草ですが、耐寒性が低いので我が国では一年草として扱われています。マレー語ではクミス・クチン(Kumis髭+ Kuching猫)という名前で呼ばれています。ちなみに東マレーシアにはクチンという都市がありますが「猫の町」として有名ですね。
ということで、ネコ好きな人におすすめの園内で見られるネコにちなんだ植物をご紹介しましょう。
この3裂している葉はネコアシ【猫足】と呼ばれています。どうです、似ていますか?
これは、実は薬草として知られているゲンノショウコ【現の証拠】(フウロソウ科)の葉で、ネコアシはその別名です。
「日本植物方言集成」(2001八坂書房)によると、結構全国的にこの別名で呼ばれているそうです。ちなみにゲンノショウコの別名では、イシャイラズとかミコシグサなどもよく呼ばれています。 次は茎の3つに分かれた先端に注目してください。当園では展望台や温室中庭の外壁で見ることができるネコノツメ【猫の爪】(ノウゼンカズラ科)です。先端の爪は小葉が変化したもので、和名はまさにそのままですね。この爪を外壁に引っ掛けてつるを這わせていきます。中南米原産のつる植物で、耐寒性があるので我が国の中部以西の暖地なら良く戸外で生育します。漏斗形の黄色い花を5月頃咲かせます。
髭や足、爪などネコの体の特徴になぞらえた和名の植物を見てきましたが、形が似ているということでは、ずばり、ネコヤナギ【猫柳】(ヤナギ科)が一番ではないでしょうか。 3月頃春の訪れを真っ先に知らせてくれますが、ふかふかの花穂がネコの尻尾にそっくりです。(写真は園芸種のピンクネコヤナギ)
いろいろな植物にネコにちなんだ和名がつけられているのは、ネコが古くから人間と暮らしてきて、それだけ身近な存在だということなのでしょう。
(解説員)
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