ちいさな大発見No.147(2021.10.27)ベゴニアのヒミツ?!
一年を通して室温20度を維持しているベゴニア室では、年間を通して色とりどりのベゴニアが咲いています。
南米アンデス山系の熱帯高地に自生するベゴニアはシュウカイドウ科に属し、大きくは木立性、根茎性、球根性の3つに分けられます。
ここでは、ベゴニアの秘密について解説します。
1つめは花についてです。写真を見てください。
ベゴニアは雌雄異花と言って、一つの株に八重咲きの雄花と一重咲きの雌花を咲かせます。通常、豪華な雄花が咲き、その隣に一回り小さな雌花が咲きます。雄花の両隣に雌花を付ける場合もあります。
ちなみに、雄花の八重咲きは雄しべが花弁化したものです。一方、雌花には雄しべがないので、一重咲きにしかなりません。
秘密の2つめは、雌花の裏を見ると、種子になる子房の膨らみ(写真上 左)がありますが、雄花にはありません。
3つめの秘密は次の写真にあります。
これはもちろん蕾ですが、2枚貝のようなガクに包まれています。
開花と共に中から花弁が出てきますが、このガクも花弁と同じ色になり花弁の役目をするのです。
4つめは葉についてです。
葉にはいろいろなタイプがありますが、総じて左右非対称、大小2枚の葉が出ます。そして、その中心から花茎が伸びてきます。これは日光をたっぷりと浴びるための工夫です。
5つめは本園温室の秘密です。秋になって日が短くなると、休眠体制に入って花を咲かせなくなります。そこで、秋以降もライトを照射するなどして、日長時間を12時間以上保つことで、年中、花を見ることができるのです。
最後に花壇などで見られる一般的なベゴニアを紹介します。
ブラジル原産で四季咲きベゴニアのセンパフローレンスです。木立性ベゴニアの仲間の1つです。
植物園で秋の一日をゆっくりと過ごしてみませんか。
【解説員K】
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