ちいさな大発見No.159(2022.6.3)国内最大かも!?

  温室ギャラリー室の北に、樹高約10m、幹回り約4mもあるヤマゴボウ科のメキシコヤマゴボウ(オンブー)が鎮座(?)しています。 

上部はいくつも枝分かれ 

別名「ゾウノアシ」

 2.3年前の台風で頂部が折れましたが、それでも生育旺盛で分岐したところから真っすぐ上に枝葉を伸ばしています。

 アルゼンチン原産で、南米の乾燥した草原(パンパ)に自生し、日陰をつくってくれる植物として重宝されています。

うっそうとしている

 実はこの植物には驚くべき秘密があります。それは木本ではなく草本、つまり草だということです。大温室で見ることができるバショウ科のバナナも草本ですが、はるかに大きいです。おそらく、国内最大の草だと思います。その根拠は年輪がなく、維管束の木部がほとんど発達しておらず、茎には大量の水分が含まれており、木材として用をなさないと言われています。

 今、15~20cmくらいのクリーム色の穂状花序をいくつも垂らしています。 

涼し気な花が風に揺れて・・・

 早々に咲いた花は花序ごとに落花していますが、結実はしません。それは、本種が雌雄異株で雄株だからです。葉や樹液には毒性があるので注意が必要です。

  葉柄から主脈はユズリハのように赤くなります。 

赤い葉柄が目立ちます!

  近縁種に同属のヨウシュヤマゴボウがあります。これも全草に強い毒性があり、決して口にしてはいけません。 

染料としても使われる

 植物園にお出での際は是非、現地でその雄姿をご覧ください。

  【解説員K】

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