ちいさな大発見!? No.86(2020.5.14)今が旬 Part.14!

 今、ボタン・シャクヤク園では、牡丹(木本)から芍薬(草本)へとシフトし、次々ときれいな芍薬の花が風に揺れています。
 その片隅で、牡丹のような切れ込みのある葉で茎が木質化した黄色い芍薬「オリエンタルゴールド」が咲いています。
 花径は12cm以上も

 もともと芍薬に黄花種はありませんでした。そこで、白い芍薬の「花香殿」と黄色い牡丹の「金晃」を交配して新しいタイプの芍薬を日本人が作り出しました。それは「ハイブリッドシャクヤク」と言われ、それぞれの特徴を合わせ持っています。
  今では本種をもとに多くの黄花芍薬が作り出されています。株分けによる増殖が可能で、牡丹より花もちがよく香りもあり、芍薬より豪華で多くの花をつけるという利点があります。
  冬は草本の芍薬の性質を引き継ぎ、地上部は枯れてしまいます。

 次は日本原産でエゴノキ科の「エゴノキ」です。森のシャンデリアと言われ、たくさんのベル形の白花が長い花柄から垂れて咲きます。秋にできる実にはサポニンが含まれており、石けんの代用として使われたそうです。
また、園芸種でピンク色の花が咲く「ピンクチャイムズ」も少し遅れて咲き始めました。
英名は‘Japanese snowbell’
 
別名は「赤花エゴノキ」

 バラ園のバラたちは今、満開です。その近くで一株だけ、一風変わったバラが咲いています。「ハコネバラ」の別名をもつ「サンショウバラ」です。富士山や箱根周辺にのみに自生する日本固有種で、国の絶滅危惧Ⅱ類 (VU)に指定されています。
ピンクから白に変化する一日花

 庭木園では大木の「センダン」に紫の花が咲きました。甘いバニラのような香りがするそうですが、木が大きすぎて嗅ぐことができません。「センダン」は生薬の玉手箱と言われるくらい、多くの薬効成分を含んでいます。また、家具材としても利用されています。
秋にはたくさんの果実が!

 野草園では日本原産でマメ科の「ニワフジ」が咲いています。「藤」の仲間ではなく、つる性ではありません。
岩場に自生するので「イワフジ」の別名も

 最後は、ハーブ園で観られるスイカズラ科の「ハニーサックル」、別名は「ニオイニンドウ」。つる性で甘い香りに誘われ、虫たちが蜜を求めて集まっています。また、ヨーロッパなどではアーチ等に誘引し、ウエルカムプランツとして有名です。
筒状花の先端が割れ、大きく反り返る!
【解説員K】

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