『ステージガーデンからこんにちは!』Vol.2 ~主役オーディション~(2020.4.3)




「個性豊かなキャスト(植物)が,それぞれの役割を演じながら,時の変化とともに風景というストーリーを紡ぎだす。」
そんなガーデンを目指し,ステージガーデンの春の主役としたのはラナンキュラス“ラックス”です。


ラナンキュラス(Ranunculus asiaticus)はキンポウゲ科・キンポウゲ属に分類される球根植物です。
従来のラナンキュラスは夏の加湿に弱く,花後に球根を掘り上げますが,品種改良されたこのラックスシリーズは,土に植えたまま夏・冬を越せるとのことでした。

そこで,2019年春にオーディション(生育過程の確認)として,数株入手し,寄せ植えとして展示しました。(寄せ植えの写真は撮り忘れました。)

5月に花が終わると,木陰になる場所に球根を植え替え,冬場に無事葉が出てきたことを確認! 葉がついた状態で園内の花壇に植え替えました。
夏・冬を越えてぐんと株が成長した現在の写真はこちらです。



「このパフォーマンスを多くの方に見て欲しい!」
結果を受けて2020年冬,ステージガーデンに100株のラナンキュラス・ラックスを植栽しました。今年は植えたままでの夏・冬越しに挑戦したいと考えています。



ところで,こちらはラナンキュラス・ラックスの球根の写真。
塊根(かいこん)と呼ばれるタコの足のような形の球根です。
球根から子球が出ています!



厳しい季節を地中で乗り切る植物の力。知恵と労力をかけ品種改良をする人間の力。今,世界中で大変な状況にありますが,植物たちの姿を見ると力をもらいます。

キラキラした花びらが特徴です。ラナンキュラス+ワックス=ラックスというのが名前の由来とか。



背が高いため,パンジーやアリッサムなど春の定番の花と合わせても変化がつきます。薄いピンク,濃いピンク,黄色やオレンジなど種類も豊富です。



茎が長く,風に揺れる姿,茎の間から背面の植物が見え隠れするのも良いですね。
球根1個で咲かせる花数は驚くほどたくさんで,なるべく花が散る前に切り戻していますが,今でも次々に蕾がついています。

実は,このラックスは九州宮崎の綾町で品種改良された花です。
福岡市植物園と同じ,都市緑化植物園フローランテ宮崎さんのHPでは動画でラックスガーデンの様子も紹介されています。大株のラックスが見事です。
ブログ「ステージガーデンからこんにちは!」では,個性あふれるキャスト(ステージガーデンの植物たち)の変化の様子や,お手入れの様子をお伝えします。
「私も一花育ててみようかな」という植物との出会いにつながりますように!
                        
          【植物展示係S】


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