ちょっと気になる路傍の花たちNo.35(2022.10.4)地中にも閉鎖花?
前号の後半で、花冠を開くことなく自家受粉する閉鎖花について書きました。今号では、さらに驚くべき方法で種子を作り出すツユクサ科のマルバツユクサを紹介します。
大群落をつくる!
マルバツユクサは午前中の早い時間から開花し、お昼には閉じてしまう1日花(実際は半日花?)です。ツユクサそっくりな花ですが、花冠は一回り小さく、葉はやや丸く、縁は波打っています。
受粉方法は前号で述べた①~③に加え、さらに土の中でも閉鎖花をつけるという性質を持っています。
ちなみに、こちらは地上部で見ることができる閉鎖花です。
そこで、一株掘り上げてみました。写真をご覧ください。
掘り上げた様子
この時期になると、マルバツユクサは土の中で白い茎をのばし、その途中で苞に包まれた閉鎖花を見ることができます。手に触れてみると、硬い塊があり、子房が膨らんで結実していることがわかります。これは除草作業などで地上部を刈られても地下で子孫を残すことができるという生き残り戦略の一つです。
また、土中に伸びる白い茎を地上に出すと、光を浴びて少しづつ緑色に変化し、10日ほどで青い花を咲かせるそうです。
マルバツユクサのたくましい生命力を感じずにはいられません。
【解説員K】
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