チョット気になります,路傍の花たち No.25(2019.4.14)
園内ではソメイヨシノがアッという間に散ってしまいましたが,サトザクラ系の「キクザクラ」や「ギョイコウ」,「ウコン」などが満開を迎えています。
その一方で,足元を見ると,路傍の花たちが'待ってましたとばかりに花茎を伸ばし,かわいい花を咲かせています。そこで,園内で見かける路傍の花たちを紹介します。
北アメリカ原産のキク科の「ハルジオン」です。多年草でしかも種でも増えるので,環境省の要注意外来生物に指定されています。
蕾のうちは下を向いている「ハルジオン」
ところで,「ハルジオン」にそっくりな植物に「ヒメジョオン」があります。よく「ヒメジオン」と間違われます。漢字で表すと,ハルジオン(春紫苑)に対して,ヒメジョオン(姫女苑)と書きます。ハルジオンは咲く時期がヒメジョオンに比べ,やや早く,花弁が少し細め,葉が茎を抱き,茎は中空です。花木園Aの桜の足元で群生しています。
次は「アメリカフウロ」です。北アメリア原産の帰化植物です。道路脇や空き地でしばしば見かけます。淡いピンクや白っぽく見える5弁化が愛らしいです。ツバキ園の斜面で見ることができます。
フウロソウ科の「アメリカフウロ」
この植物をよく見ていると,「ゲンノショウコ」によく似ているなぁと思いました。さっそく調べてみると,同じフウロソウ科フウロソウ属の近縁種でした。「ゲンノショウコ」は古くから薬草として下痢止めなどに使われ、「現に良く効く証拠」の言い回しから,この名が付いています。関東以北では白花が多く、開花は夏から秋にかけてです。
漢字で「現の証拠」が充てられている!
次はタンポポです。本園では不思議なことにバラ園以外は「カンサイタンポポ」ばかりで,セイヨウタンポポの姿を見かけることはまずありません。
そんな中,1株の「シロバナタンポポ」を見つけました。
ややクリーム色っぽい「シロバナタンポポ」
昨年,園内では3株確認(ツバキ園斜面)されていますが,今年はその場所では見ることができず,花見広場で見つけました。同じ在来種の「カンサイタンポポ」との違いは,花弁の色はもちろんですが,2重になっている外側のガク(総苞外片)がやや反り返るのが特徴です。場所によっては,「シロバナタンポポ」しか見ないところもあるそうです。
次はキク科ニガナ属の「オオジシバリ」です。一見すると,タンポポに似ていますが,葉がヘラ形で茎から根をだして広がっていきます。近縁種に「ジシバリ」がありますが,葉が丸くやや小さめです。
根っこがきれても,そこから発芽していきますので,大変厄介な植物です。
繁殖力が旺盛な「オオジシバリ」
最後は,バラ科の「ヘビイチゴ」です。こんなにきれいな花なのに「ヘビイチゴ」とは?
ちなみに,野イチゴには数種類の仲間があり,もちろんヘビイチゴもその仲間です。毒性はなく,食べることもできますが,おいしくありません。何でも「スカスカしておいしくないので蛇にでも食べさせろ!」と言ったことから,和名の「ヘビイチゴ」が付いたそうです。
食べられる野イチゴの仲間は「クサイチゴ」や「モミジイチゴ」など,白花が基本です。針葉樹園花壇やバラ園デッキ手前で見ることができます。
おいしくないですよ,「ヘビイチゴ」
【解説員K】
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