ちいさな大発見!? No.32(2019.4.18) アリが大好き、エライオソーム?
針葉樹園では「キバナオドリコソウ」や「シャガ」,「シラユキゲシ」などの葉の間から、一生懸命に背を伸ばしたシソ科の「ムラサキケマン」がそろそろ実を結んでいます。
少し前に撮った「ムラサキケマン」
まだ,実はあおいのですが,もう10日もすれば,ちょっと触れただけで一気にさやがはじけて中の種を蒔き散らします。種を保存するための大切な営みです。
ところが,ムラサキケマンのすごいところはこれだけでありません。次の2枚の写真を見てください。
「ムラサキケマン」の種子
まだ,熟していませんが,切開して種を取り出してみました。種の端に白っぽいものが見えています。これは,「エライオソーム」と言って白いゼリー状の物質です。脂質や糖分を含み,匂いを発します。実はアリの大好物なのです。匂いをかぎつけたアリが巣に持ち帰り,エライオソームだけを食べ、種は巣の外に捨てます。そこで、種は発芽し新たな命をつないでいくのです。
そこで、次の写真を見てください。
駐車場のブロック止めに沿って,10株以上のスミレが一列に繁っています。たぶん,このブロックの隙間の中にアリの巣があり,捨てられた種が発芽したと思われます。
エライオソームを持つ植物は、日本にはスミレやホトケノザ、ヒメオドリコソウ、カタクリ,ヤマブキソウ等、200種類くらいあると言われています。このような植物をアリ散布植物と言い,相利共生の関係にあります。
植物ッて,すごいですね。
【解説員K】
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