ちいさな大発見!? No.34(2019.4.25) 葉の上に花?

 植物園ではサトザクラ系の桜やボタンが見頃を過ぎましたが,今週末から始まるバラ祭りに向け,260種類を超えるバラが少しずつ咲き始めています。見頃はGW後半でしょうか。
 さて,今号では葉の上に咲くめずらしい花を紹介します。
 写真①,②をご覧ください。
 写真①
 写真②

 葉の上に見えている小さいものが,実は花です。
この植物はミズキ科ハナイカダ属の「ハナイカダ」です。「ハナイカダ」は雌雄異株の落葉性低木です。
 一般的に葉には葉脈があり,中心を走る主脈と主脈から脇に走る側脈があります。「ハナイカダ」は主脈の上に1~5輪の花を咲かせます。写真①には複数個の花が付いていますが,写真②は1つだけです。

 一見すると,葉の上に花が乗っかっているように見えますが,これは主脈と花の軸がくっついた結果,そのように見えるのです。写真③を見れば,くっついているのがよくわかると思います。
 写真③ 葉に合着している雌花

 さて,前後しましたが,写真①はハナイカダの雄木で複数の雄花がさいています。拡大したものが写真④です。
 写真④ ハナイカダの雄花

 そして,写真②は雌木で,雌花が1つだけ咲いています。拡大したものが写真⑤です。
 写真⑤ ハナイカダの雌花

 花と言っても淡い緑色をしており,花径も5mmないくらいの大きさですから,花自体は目立たずパッとしませんが,葉の上に咲くのがおもしろいですね。
 そして,雌木の方は花後には緑色の実を結び,やがて,夏ごろには写真⑥のように黒く熟します。
 写真⑥ 雌木で結実した様子

 ハナイカダ(花筏)は葉っぱの上の花や実を,筏に乗った人に見立てて名前をつけたそうです。結構,珍しい木なんですよ。

 この時期,園や学校関係の歓迎遠足で賑わっていますが,旬のきれいな花を見に来ませんか。
【解説員K】

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