ちいさな大発見!? No.33(2019.4.19) 要注意植物?

 今,バラ園花壇ではパンジーやアリッサム,ネメシアなどに混じって,色とりどりのケシ科ケシ属の「アイスランドポピー」が咲いています。
和名を「シベリアヒナゲシ」

 18世紀の中頃,北極探検隊に加わっていた植物学者がシベリアで発見し,アイスランドの気候に似ていたところから,この名前を付けたそうです。ですから,アイスランドが原産地というわけではありません。

 ところで,最近,散歩をしていると,道路脇や空き地に見かけるオレンジの花が目につきます。同じくケシ科ケシ属の「ナガミヒナゲシ」です。
風に揺れる「ナガミヒナゲシ」

 地中海原産の「ナガミヒナゲシ」ですが,その繁殖力は半端ではありません。1つの果実に1500から2000個もの種が入っています。例えば1株で10本の花が咲くとすると,多くて20000個の種がばらまかれることになります。
 これだけならまだしも,実は他の植物の生長を抑制するアレロパシー活性が強い植物と言われています。どうも根から他の植物の生長を阻害する成分が出ているそうです。
 ちなみに,名前の由来は子房が縦に長いので「長実雛芥子」の漢字が充てられています。

 もう一つ,厄介な植物を紹介します。アヘンの原料となるモルヒネ成分を有するケシ科ケシ属の「アツミゲシ」です。私の散歩コース2個所で見かけました。
草丈1m近くになる大形の「アツミゲシ」

 名前の由来ですが,漢字では「厚実芥子」かと思ったら,「渥美芥子」と書きます。愛知県の渥美半島沿岸部で最初に発見されたことによるそうです。

 「ケシ」や「アツミゲシ」,「ハカマオニゲシ」は厚生労働省が栽培を禁止している植物です。もし近所で見かけたら,保健所や警察署に連絡をしてください。なお,「ポピー」や「ナガミヒナゲシ」,「オニゲシ」などにはアヘン成分は含まれていないので,栽培は可能です。
【解説員K】

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